「特定非営利活動法人 Medical PLAY」の目的、設立経緯
‐本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。まずは、お二人それぞれ簡単に自己紹介をお願いします。
大脇様:Medical PLAYの共同代表 大脇由樹と申します。
慶應義塾大学病院で診療放射線技師として臨床に従事している一方で、放射線学の博士号を活かして、東京都立大学の非常勤講師として教育・研究にも従事しています。ただ、臨床現場での取り組みや研究のみでは解決できないことがあることを日々感じており、それ以外の立場でより良い医療のためにできることはないかと考え、Medical PLAYを立ち上げました。
小野様:小児専門病院にて放射線技師として5年勤務しました。現場で働いていた当時、MRIの検査説明動画を自作し鎮静検査が減る、患者さんのご家族が喜んでくださる、医師や看護師をはじめとした医療従事者仲間も喜んでくれるという経験をしました。「MRIの検査説明動画」すなわちそれは、医療ニーズを満たす技術シーズで、自分の代わりに課題解決したり医療を届ける「分身」を作ることで、自身が直接関わっている目の前の医療現場の向こう側にいる、より多くの人に喜びや価値を届けられることに気づきました。もっと多くの「分身」をつくりたいと思い、それで、2年前に医療機器メーカーに移り、画像診断機器/ソフトウェアの研究開発職に転身し自分の変わりに医療を届ける「分身」づくりをしています。そして、このMedical PLAYでの活動も、分身づくりの一つとして取り組んでいます。
-Medical PLAYの法人概要を教えてください。
大脇;子どもたちの医療に対する解像度を上げるための活動として、医療絵本や検査説明動画、そしてVRゲーム等の制作を行っています。子どもたちは、当然大人に比べて医療行為への理解度は高くありませんので、絵本や動画等の親しみやすいツールを利用して教育的なアプローチをすることで、適切な検査の実施、そして治療へと繋がることを目指しています。
-Medical PLAYはどういう経緯で設立されたのですか?
大脇:臨床の現場に出て、子ども達へ正確な医療を届けるということがどれだけ難しいことなのかを実感しました。検査への恐怖心で子どもが暴れてしまいますと、正確な診断が難しくなり、再検査するとなると、放射線被ばくの増大にも繋がります。かといって鎮静剤の使用には副反応として呼吸抑制や将来的な精神疾患罹患リスクがるとの報告もあり、安心安全、そして精度の高い医療を子ども達に提供することへの課題意識を持っていました。
-ご自身は、臨床現場ではどんな取り組みをされてきたのですか?
大脇:研究的なアプローチとしては、例えば、これまでは20分かかっていた検査時間を5分で実施できるような方法を考案したり、検査中の体動に強い撮影法を提案したりと、様々な取り組みを論文報告してきました。それでも、子ども達にとって【怖い】という恐怖感情は、物理的な要素が変わったところで変わらないんですよね。
-子どもは、大人の想像をこえるところで、怖さや不安を感じるのでしょうね。
大脇:小学生くらいになると、検査を受けなくては次に続かない…ということを理解している子が多いのですが、それより小さな子どもは、一度怖いと感じると、もう心理的に受け付けてくれません。一方、親は子どものためにと思って、子どもに検査や治療を受けさせようと医療者に協力しようとしてくれますが、子どもにとっての安全基地が担保されていない環境で、良い医療を行うことは困難なんです。
実は、自分自身も子供の頃通院をしていたのですが、検査を受ける際に医療者と親に無理やり抑えつけられて検査をされていた記憶があります。そして、その経験はトラウマとなり、病院で受ける医療の全てが怖く感じてしまったんです。
そうなると、子どもは適切な治療を受けられないという医療提供の機会損失がおこるだけでなく、医療者側も子どもを抑えつけるのに多くの人数を割く、そこまでしても子どもが動いてしまって良い画像結果を得られず再検査を行わなければならないなど、医療者側の損失も増えます。
そういった悪循環を断ち切る取り組みとして、プレパレーションを広めていく必要があるけれど、それは臨床の現場だけではできないと思い、Medical PLAYを立ち上げました。
‐Medical PLAYのミッションやビジョンは?
大脇:医療におけるプレパレーションのインフラ作りをすることです。
そのために、無償でプレパレーションツールを、全国の病院に配る活動をしていきます。患者さん(とその親御さん)、医療者、医療関連メーカーの3者に価値を提供していきたいと思っています。
‐患者さん、医療者への価値提供はわかります。一方、メーカーにとっての価値がイメージできないのですが
大脇: 私の普段従事しているPET-CT検査といった放射線医薬品を使う核医学検査の例を挙げます。核医学検査では放射線医薬品を患者さんの体内に投与し、画像撮影を行うことで検査を行います。しかし、放射線医薬品投与後に子どもが怖がって検査を受けてくれない、動いてしまって検査ができないという結果になると、公的医療保険から支払われる報酬の対象になる診療行為が行われなかったということになってしまいます。そうすると、投与した放射線医薬品の費用を請求する先がなくなってしまうということになります。
そして、この放射線医薬品は、種類にもよりますが、実は1回、10万円程度します。この高額な放射線医薬品の使用料を請求することができないとなると、その費用を誰が負担するのかという問題になり、場合によっては、医薬品メーカーが負担することもあるようです。そういったことが解消されれば、医薬品メーカーにとっても価値があると考えます。
‐そんな問題があったのですね。驚きました。そして、素晴らしい思いをお持ちですね。
私も子どもがいるのですが、子どもが小さな頃、肺炎をおこし、レントゲン検査を受けさせたことが何度かあります。今お二人の話を伺って、特に幼稚園生くらいの頃は、一人でレントゲン室に取り残されたときは相当に心細かったろうなと思いました。でも、当時は、治療のためにレントゲンは受けさせて当然と思っていて、子どもの感情面には全く思いを馳せることもありませんでした。
そんな親の無意識や、医療制度の問題など、プレパレーションを広めていくのは大変そうですね。でも、だからこそ取り組む意義が大きいのですね。
これまでの取り組みと課題
‐さて、どのようミッションや問題意識に基づき、これまでどんな取り組みをされてきたのですか。
大脇:まずは、プレパレーションツールの制作に注力してきました。最初に取り掛かった絵本の制作は、プロの作家でも3年近くかかると言われているので、並行して検査説明動画やVR、検査を体験できるゲームの制作を進めてきました。制作から4年を経て、絵本は昨年末に商業出版され、その他のツールのプロトタイプも既に臨床現場で実証の段階まで進んでいます。ツール制作では、できるだけリアルな臨床環境を再現するために、医療機器メーカーのキヤノンメディカルシステムズ株式会社、GEヘルスケア・ジャパン株式会社、シーメンスヘルスケア株式会社、そして株式会社島津製作所にも協力していただきました。
これらを利用して、小児科の先生方と共にプレパレーションツールの効果を検証するための臨床研究計画も進めています。プライマリーのエンドポイントは、鎮静検査が減るかどうかです。セカンダリーのエンドポイントでは、子どもの脈など、心理状態に関するデータを取得することも検討していますが、生体情報の収集は倫理審査のハードルが高いので、現在色々と議論しているところです。
その他、一般の方向けのセミナー、医療者向けのセミナーを開催し、放射線被ばくや、小児医療の問題などについて説明させていただきました。
‐プレパレーションツールの配布は進めているのですか?
小野:先月開催された日本小児放射線学会学術集会にて、法人のブースを出展しました。そこで、興味をお持ちいただいた医師に、計60冊配布できました。もちろん無償です。そして、現在のところ、5つの医療機関で実際に使っていただいていることを把握しています。
会場で、医師の方々に絵本を受け取ってもらい、本当に嬉しかったです。「そんなのいらないよ」と言われるかもしれない恐怖のような思いもあったので、ある医師から「意味のある活動だね」と言ってもらえたときは、やってきてよかったと思いました。
大脇:ただ、プレパレーションツールを計画的に配布したのはこのブース出展のみです。今後本格化していこうと考えています。
‐今後の活動における困りごとや課題は?
大脇:プレパレーションツールを無料で配布していこうと考えているので、やはり資金が必要という面は大きいです。
それから、「医療の質」は重視しているので、一緒にやっていく仲間、同じ思いを持った仲間ももっと欲しいです(笑)。
また、VRゲームの制作や、web上での公開・運用においてはITエンジニアの方の力も必要です。現在のメンバーの中にも3名、エンジニアの方が参画して下さっているのですが、みんなより良い医療の実現に熱い想いを持っている、大変頼りになる仲間達です。
プレパレーションを広めていくための活動資金の必要性
‐ここで人の問題が出てくるとは思いませんでしたが、重要ですよね。そちらはさておき、プレパレーションツールを広めていくというところで資金が必要で、今回クラウドファンディングを行っているのですね。
https://readyfor.jp/projects/medicalplay-ehon-project
今回集めた資金では具体的にどういう活動をされたいのですか?
大脇:医学関連の学会にブース出展し、制作したプレパレーションツールである絵本の配布や、検査動画、VR等を体験して頂き必要性を知って頂く活動のために使います。
そのブースを出すのに、学会にもよりますが、1回に20万から50万程度かかります。主にはそこに使うために、資金調達を進めています。
小野:無料とは言え、こちらから絵本などを医療機関に送りつけるわけにはいきません。興味を持っていただいていないのに、送っても使ってもらえないからです。
ですので、学会にブースを出し、興味を持ってもらった方に無償で配布するということにしました。
日本は、人口あたりのCTとMRIの台数は、世界1位です。そして、国民皆保険のシステムがあることもあり、無料とは言いませんが、簡単に、かつ比較的安価に画像診断機器にアクセスできます。
ですが、患者さんやそのご家族への説明と同意のプロセスであるインフォームド・コンセントという行為は、実は診療報酬の請求につながりません。ですから当然、小児患者さんへの説明にあたるプレパレーションも浸透が進みづらい背景であると考えています。
そういった状況を考え、未来ある子どもたちへの医療にあたるプレパレーションに関しては、無料でアクセスできる必要があると考えました。ですので、絵本を無償で配布することにしました。
ちなみに、検査体験ゲームはwebアプリとし、web上で「いつでも・だれでも・どこからでも」アクセスできるようにし、絵本と同様無料で提供していくことを構想しています。
‐このクラウドファンディングで集めた資金と、その資金を使った活動のゴールは? ゴールという表現が大げさであれば、ここまで到達したいというマイルストーンは?
小野:まずは当面のマイルストーンとして、2~3の学会で展示ブースを出展し、プレパレーションツールを配布し情報発信をすることで、医療従事者の先生方と課題意識やプレパレーションという介入について認識してもらうことが、やるべきことだと思っています。その先に、私たちが提供するツールを使ってもらって、患者さんまで届く未来があるかなと。
大脇:今回のクラウドファンディングと言うことではなく、Medical PLAY としての活動の最終的なゴールは、プレパレーションという行為が診療報酬の請求対象となることです。
そこに到達するには、プレパレーションツールを配布し認知を広めるだけでなく、サイエンスにすることが重要です。即ち、エビデンスドベースドでプレパレーションの有効性を訴えられるようにするということです。そういったエビデンスを構築するには、お金も時間もかかるので、今後も多くの方のご支援が必要です。
小野:実は、今回のクラウドファンディングの掲載内容は、主には医療者向けのものにすることを意識しました。一般の方向け、患者さんや、病気の子どもを持つ親御さん向けの内容にするという選択肢もあったのですが。
というのは、この取り組みは、患者さん、子どものためになるだけでなく、医療現場の業務改善につながると考えているからです。
自分も、臨床現場に出てすぐの頃、患者さんである子どもを3人がかりで押さえつけて、検査を行っていました。患者さんである子どものためと思い、それが当然だと思っていたので、言われるままにやっていて、そこに疑問はありませんでした。でも、そういう行為は、必要以上に医療者の手間と労力もかけます。そして、その行為が子どもの心を傷つけ、そのことが医療者自身に「子どもに嫌な思いをさせてしまった」という傷を残します。
子どもたちはもちろん、医療者にもそんな思いはしてほしくありません。そして、このプレパレーションで、そういった悪循環の一部を断ち切れると思っています。
ですので、Medical PLAYの取り組みを、特に医療者の方々に知ってほしいと思って、今回のクラウドファンディングのコンテンツを作成しました。
‐そういう思いもお持ちだったのですね。
資金援助というと、相当な額の提供が必要そうに思ったり、手続きも大変そうなイメージを持つ方も少なくないと思います。今回のクラウドファンディングでは、最低いくらから資金援助できるのでしょうか。また、どのような手続きをすれば良いのでしょうか。
大脇;最低3000円からで大丈夫です。また、手続きはクレジットカードさえお持ちであれば、ネット上の専用サイト( https://readyfor.jp/projects/medicalplay-ehon-project )にアクセスしていただき、ネットショッピングをするような手続きで簡単に申し込み可能です。
‐クラウドファンディングの登場で、資金を調達したい方と資金援助をしたい方がつながりやすくなりましたね。微力ながら、MCPにて、Medical PLAYの皆さんの思いを少しでも多くの方に届けるよういたします。
キャリアについて
‐さて、このMCPですが「メディカル人材のキャリアを支援する!」というコンセプトなので、ここからは本題とずれますが、お二人のキャリアについて伺わせてください。
まず、なぜ自分たちでやろうと思ったのですか? 多くの方は、自身が取り組みたいという課題に取り組んでいる組織(会社、行政、アカデミアなど)に転職するという選択肢を選びがちです。
大脇:自分がどこかのピースになろうとはあまり考えませんでした。と言いますのも、当時、診療放射線技師として放射線被ばくの低減というテーマの先に、プレパレーションに対する課題感を共有できた人は、少なくとも自分の周囲には、ほぼいませんでしたし、それらを共有できる組織がなかったというのが実情かもしれません。
小野:解決されてないし、解決しようとする動きも誰もが知っているようなレベルではありませんでした。企業という選択肢もあったのかもしれませんが、そもそも儲からないので、絶対無理だと思っていました。だったら自分でやるしかないと思いました。
大脇:また、私は医療者、教育者、研究者と様々な立場で勤務しておりますが、他にやっていないことは何かなと考えたとき、起業に興味があったのも事実です。と言いますのも、私は法人の立ち上げ前から起業の勉強会に通ったりすることで、経営戦略や財務、そしてマーケティングに関しての勉強をしていましたが、医療者の感覚が一般企業と乖離していると感じることが多くありました。もちろん、国民皆保険制度の仕組み上、仕方のないことではあるのですが、その感覚を鈍らせることがないよう、常に複数の視点で物事を考えられるような環境に身を置きたいという想いもありました。
‐ただ、それぞれ本職をお持ちなので、ダブルワーク状態だと思います。それは大変なのではないですか?
小野:言葉にするのが難しいのですが、おそらくそれは使命感というのが強いです。臨床の現場にいた頃、子どもに対する医療サービスの提供が、医療者も親ごさんも皆良かれと思ってやっているのに、必ずしも良い結果を生まない状況を見て、MRIの説明動画を作り、周囲の方々に好評を得ました。特にそのときの患者さんを見て、これを社会実装したいと思ったというきっかけは大きいです。
一方、現職の医療機器メーカーに行って、患者さんに直接かかわらなくなり、そのリアリティが薄れていくことを感じています。自分は、そのリアリティが、患者さんや医療を良くすることに対する正義感・使命感・倫理観につながるタイプだとわかり、そこから、臨床現場や患者さんのリアリティとの接点を持ちたくて、大変だけど、Medical PLAYの活動もやりたいと思いました。
実際、この活動で、大脇が医療者や患者さんの声をフィードバックしくれるのがとても嬉しくて、やってよかったと思っています。
‐将来的には、どうしていきたいですか? あるいは、Medical PLAY活動がどうなっていると良いなと思っていますか?
大脇:まずは僕らがしっかりと組織をリードし、プレパレーションのインフラを作りたいと思っています。その過程で、同じような思いを持っている方が増えていくようであれば、是非実際の運用を任せていけたらと考えています。
ただ、そのためにも、学術面、そして臨床現場でしっかりと結果を出していかないと、その先にある信頼を得られないと思っています。
小野:シンプルに課題解決のための社会実装には興味と感心がありましたし、それを実現したいと考えています。臨床の現場でみた患者さんの向こうにいる沢山の人に医療を届けたいと思っています。ですから、Medical PLAYで提供するプレパレーションや検査体験のツールはオープンアクセスとすることを考えています。
そして、まずはそのための仕組み、大脇の言葉で言えばインフラを確立できれば、現実的に動いていくと考えています。そこまで具体化ができれば、その後は関連団体などに引き継ぐこともできるかなと考えています。
‐お二人のキャリア上の意思決定と、アクションは読者の刺激になると思います。ありがとうございます。
また、将来の方向性もありがとうございます。プレパレーションと、その運用環境がインフラ化することを願っています。そして、そのことが、患者さんのみならず、医療者、医療者に製品などを提供する医療関連メーカーにとっても価値のあるものになることを期待しています。
≪Medical PLAYの活動に対する資金援助のお願い≫ 上記インタビューで、大脇さん・小野さんからお話し頂いた通り、特定非営利活動法人 Medical PLAYでは、プレパレーションを日本の医療に広めていくための活動資金を得るためにクラウドファンディングを行っています。 下記リンク先をご覧いただき、彼らの思いと活動に共感して頂けた方は、ぜひ資金援助をお願いできればと思います(3000円から可能)。 https://readyfor.jp/projects/medicalplay-ehon-project *支援募集期限:7月29日(月)午後11:00
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≪インタビューを受けてくださった方(インタビュイー)≫
●共同代表 大脇 由樹様 略歴
神奈川県生まれ。博士(放射線学)。 慶應義塾大学病院で臨床現場に従事する傍ら,東京都立大学の非常勤講師そして研究員を務める。専門医学は核医学であり,これまで精力的に論文執筆や出版,そして講演活動を行ってきた。自らも幼少期に辛い医療体験をしたことから,全ての子どもが子どもらしく心身共に成長し,自分のペースで病気と向き合っていくための医療環境整備に尽力している。
●特定非営利活動法人 Medical PLAY 共同代表 小野 浩二郎様 略歴
千葉県生まれ。三児の父。 大学卒業後,地域医療や小児専門病院の放射線技師として10年間のキャリアでは,お年寄りから子ども達まで多くの方の画像検査や放射線治療に従事。現在は,医療機器の臨床開発を推進するサイエンティストとしてヘルスケアへの関わりを続けている。“きょうだい児”としての過去を持ち,「臨床,そして社会におけるヘルスケアの課題解決」をテーマにさまざまな活動を行う。
小児医療における検査説明(インフォームド・コンセント)のDXに取り組んでいるNPO法人。医療絵本や動画、VRゲームなどを利用し、子ども達が主体的に医療に望める環境構築に挑んでいる。「医療体験に価値を」の法人理念に共感する現役の医療者メンバーが参画して開発・制作・監修される検査説明ツールは、検査を必要とする小児患者やその家族が「いつでも・だれでも・どこからでも」アクセスできるように無償提供やオープンアクセスのWebアプリ化を進めている。本NPO活動により、患者が受ける医療の質の向上や機会損失の減少、ひいては医療機関の労働環境改善や再検査によるコスト損失の減少等、医療者と患者双方にとっての医療価値を高めることを目指す。
≪インタビュアー≫
inspire株式会社 代表取締役/Medical Career Platform 編集長 吉原 貴
大手人材派遣会社での製薬関連新規事業立ち上げ、CROでの営業企画・人事・経営企画、経営コンサルティング会社でのコンサルタント・経営管理全般、メディカル専門の人材紹介会社等を経て、2017年にメディカル専門のinspire㈱を立ち上げ、現職。