用語辞典
現在価値(DCF:Discount Cash Flow)
キャッシュや金融商品、投資対象事業などが生み出す貨幣学的な価値に関し、将来の価値から金利などを割り引くことにより、いま手にした場合の価値を導き出すという考え方です。
年利1%の定期預金に預けている1億円の、1年後の将来の価値は1億100万円です。この利率分を割り引いてキャッシュの現在価値を求める考え方を言います。
*単純化するため、税などは考慮していません。以下も同様
このことを投資的に考えると、例えば、
1.Aさんは、今の時点で1億円くれると言ってくださっている
2.Bさんは、1年後に1億50万円くれると言ってくださっている
という状態で、どちらか一つしか選べないとしたら、どちらを選ぶか検討するきに、この現在価値の考え方を援用します。
一見、2の方が50万円多く得られるように見えますが、1を選択し、今1億円を得て、年利1%の定期預金に入れれば、1年後には1億100万円になり、2の額を超えます。そこから1を選択すべきだと考えることとなります。
すなわち、2の場合、現在価値に割り引いて考えると、
1億100万円÷1.01≒99,504,950円
となり、1でもらえる1億円より価値は低いということです。
なお、特に事業投資の観点では、投資した先(上記の例では預金先)が破綻しないかなど他のリスクも考える必要があり、現在価値含め様々な観点、指標を用いて意思決定していく必要があります。