用語辞典

生物学的同等試験

ジェネリック医薬品を製造する企業が行う、先発医薬品における有効成分の血中濃度推移と、自社ジェネリック医薬品における有効成分の血中濃度推移が、同等かどうかを調べる試験です。BEBiological Equivalence試験とも言われます。

一般的に比較的少人数(数十人程度)の健康成人を対象に行われます。

 

ジェネリック医薬品の製造販売許可を取得するためには、当該医薬品の有効性や安全性をする試験を行う必要がなく、この生物学的同等試験だけを行えばよいとされています。

 

その理由について、そもそも全身作用を期待する医薬品の有効成分は、血流にのって作用部位に運ばれ作用します。そのため、血液中の有効成分濃度が濃くなるにつれ、医薬品の効果や副作用がより強く発現します。

 

先発医薬品と同じ有効成分を使用しているジェネリック医薬品において、当該有効成分自体の効果と副作用は先発医薬品の試験にて示されています。残すは、血中濃度が先発医薬品と同様の推移をたどることを示すことができれば、ジェネリック医薬品の効果と副作用の強さは、先発医薬品と同程度であると言うことができます。よって、先発医薬品における有効成分の血中濃度推移と、自社ジェネリック医薬品における有効成分の血中濃度推移が、同等か確認する試験のみでよいというわけです。

 

なお、注射剤(有効成分が完全に溶解した状態で、血管内投与するもの)については、注射剤という剤型である以上、投与時に血中濃度がピークとなり、時間が経つにつれ濃度が減少していくというのは変わらないため、生物学的同等性試験は不要です。