医療広告代理店(メディカルエージェンシー)
業界に属する企業名
株式会社博報堂メディカル、株式会社協和企画、株式会社マッキャン・ワールドグループ ホールディングス
事業内容・顧客
主に製薬会社を顧客として、医療用医薬品のマーティング戦略立案から、プロモーション戦略、プロモーション資材作成といった業務を受注、実施しています。
主なものを整理すると以下のような業務となります。
●マーケティング戦略立案支援
- 製品マーケティング戦略立案支援
- プロモーション戦略立案支援
- 企業/製品ブランディング支援
●メディカルコミュニケーション支援
・医療関係者向け
- 製薬会社が提供する資材作成(製品情報概要等)
- 製品のキービジュアルやメッセージの作成、製品広告制作
- 医療者向けニュースや学会記録集等の制作
・患者さん向け
- 患者さん向け資材作成
- 疾患啓発活動支援(患者さん向けサイト構築、DTC、一般向けセミナー等)
なお、広告代理店と言うと華やかなテレビコマーシャルやインパクトのある新聞広告をイメージされる方も多いと思います。しかしながら、医療広告代理店はそういった「有料の広告枠を押さえ、企業から広告を受注し、クリエイティブを製作し、メディアに乗せて発信する」といった仕事が中心ではなく、「マーケティング専門のコンサルティング会社×医療系出版社」といったイメージに近い業態となります。
業界動向、採用動向
製薬会社のマーケティング戦略・コミュニケーション戦略への支援業務については、コンサルティング会社、webマーケティング会社、リサーチ会社等も競合となっています。そのなかで、広告代理店の強みであるコミュニケーション戦略立案力やクリエイティブ力が差別化要因となり、資材作成含めたコミュニケーション関連の業務において製薬会社から評価され、多くの受注を受けるという構図になっています。
そして、製薬会社における資材作成は、
- 製薬会社が注力する製品としては、がん・希少疾患等の治療薬へのシフトが顕著であり、その結果、以前に比しエビデンス・サイエンスを重視した資材作成が必要になっている
- 薬機法や製薬業界のルール(医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン)が非常に厳しくなっている(=細かいところまで規制が多くなっている)ことから、資材作成においてもそういったルールの熟知が必要になっている
といったことから、非常に高度な専門性が求められるようになっており、また煩雑さも増しています。
このような背景から、製薬会社は自社で資材を作成するよりも、医学薬学知識の専門性があり、業界ルールも熟知している資材作成の専門集団である医療広告代理店へのアウトソーシングを増やしています。
さらに、これまで製薬会社から医療機関への情報提供はMRによる対面での活動が中心でしたが、新型コロナの影響により、非対面での情報提供(メールやWEB等)の流れが加速しました。
そのため、医療広告代理店各社は、製薬会社による情報提供のデジタル化(デジタルマーケティングやデジタルコンテンツ作成)支援も行い、業務を拡大しています。
上記の通り、製薬会社が専門家である医療広告代理店への資材作成の依頼が増加していることやデジタル化支援の業務が拡大していることから、採用についてはメディカルライターを中心に、採用意欲は旺盛です。
業界売り上げ(市場規模)推移
*情報なし