企業辞典

アステラス製薬株式会社

業種
医薬品メーカー(先発医薬品)
企業webサイト
https://www.astellas.com/jp/
外資/内資
内資
拠点(本社)
東京都中央区日本橋本町2-5-1
拠点(主要拠点)
研究所:茨城県、工場:富山県、営業所:全国各地
海外拠点:北米/中南米/アジア/オセアニア/中東/欧州(旧ソ連邦含む)/アフリカ
歴史・沿革
1894年 藤澤友吉、大阪に藤澤商店を創業(1943年 社名を藤沢薬品工業株式会社に改称)
1923年 山内健二、大阪に山之内薬品商会を創業(1940年 社名を山之内製薬株式会社に改称)
2005年4月 山之内製薬(旧)および藤沢薬品(旧)の合併により、アステラス製薬株式会社発足
2006年4月 一般用医薬品事業を行うゼファーマ株式会社を第一三共株式会社に譲渡
2016年12月 ドイツのバイオ医薬品企業ガニメド(Ganymed)社を買収
2017年5月 ベルギーの医薬品企業オジェダ(Ogeda)社を買収
2019年11月 デジタルヘルス企業Welldoc社とデジタルセラピューティクスに関して戦略的提携を締結
2019年12月 米国のザイフォス(Xyphos)社を買収
2020年1月 米国のバイオテクノロジー企業オーデンテス(Audentes)社を買収
2020年4月 英国のナンナ(Nanna)社を買収
2020年9月 科学的根拠に基づいたフィットネスサービスFit-eNce®(フィットエンス)開始
2020年10月 米国iota社を買収
事業内容/特徴

<事業内容、概況> 

主な事業内容は、医薬品の製造・販売および輸出入となります。

日本のみならず、欧米やアジアにも研究開発拠点、生産拠点を置き、世界約70以上の国と地域でビジネスを展開、グローバル企業としての地位を着々と固めつつあります。

 

●アステラスの海外売上比率

20233月期の売上高1兆5千億円超における、海外の売上高比率43%です。日本は17%しかなく、海外シフトが鮮明です。

 

※アステラスが公表している20233月期の決算情報からinspire株式会社にて集計

 

 

●パイプライン数

※アステラスIR情報を基にinspire株式会社でグラフ作成

 

 

●主要製品

XTANDI®/イクスタンジ®(エンザルタミド)・・・前立腺がん治療剤

・ゾスパタ®(ギルテリチニブ)・・・再発または難治性のFLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病治療剤

PADCEV®(エンホルツマブ ベドチン)・・・治療歴のある、局所進行性または転移性尿路上皮がん治療剤

・エベレンゾ®(ロキサデュスタット)・・・腎性貧血治療剤

・ベタニス®/ミラべトリック™/ベットミガ™(ミラベグロン)・・・過活動膀胱治療剤

・プログラフ®、アドバグラフ™/グラセプター®/アスタグラフXL™(タクロリムス)・・・免疫抑制剤

 

 

<特徴>

1.「Focus Areaアプローチ」と名打った独自の研究開発戦略

2.DXへの注力

3.医薬品の枠を超えたヘルスケアソリューション である「Rx+」事業の展開

といった独自の取り組みを行い、 “変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変える” というビジョンの実現を目指しています。

 

 

1.「Focus Areaアプローチ」と名打った独自の研究開発戦略

一般的な製薬会社が疾患領域単位で自社の専門性・独自性を打ち出していくことが多いなかで、アステラスは以下のような独自のアプローチで研究開発戦略を打ち出しています(「Focus Areaアプローチ」)。

 

具体的には、

・病態関連性が高いバイオロジー

・汎用性のあるモダリティ/テクノロジー

の2つの要素のかけあわせにより解決が期待されるアンメットメディカルニーズの高い疾患の組合せの集合をFocus Areaとして定義し、このFocus Areaに独自の専門性とプラットフォームを構築することで、革新的製品の継続的な創出を目指しています。

最先端技術として細胞医療や遺伝子治療にも注力し、疾患の根本的な原因に直接働きかける治療法の創出に取り組んでいます。

 

この「Focus Areaアプローチ」から、202383日現在、以下の通りFocus Areaを定めています。

 

[Primary Focus]

遺伝子治療、がん免疫、再生と視力の維持・回復、ミトコンドリア、標的タンパク質分解誘導

 

[Primary Focus候補]

免疫ホメオスタシス

 

[探索研究]

聴覚再生、オートファジー、二重特異性免疫細胞誘導抗体、次世代ファージセラピー、

特異的制御性T細胞、ダイレクトリプログラミング自然免疫制御

 

[細胞医療]

 

2.DXへの注力

「デジタル革新を加速して科学の進歩を患者さんの『価値』に変えるワールドクラスの Intelligent Enterprise となる」というDX Visionを掲げています。

そのために、バリューチェーン全体(研究、開発、製造、販売、ライフサイクルマネジメント)において、DXに取り組んでいます。

 

例えば、以下のような取り組みをしています。

 

①研究段階:人×AI×ロボットを統合したHuman-in-the-Loop型の医薬品創製プラットフォーム

化合物のスクリーニングで取得したヒット化合物を医薬品候補化合物にするまでの最適化研究の期間短縮と質の向上のために、AIとロボットを活用し、要所で研究者がアイデアや総合的判断などの価値を加える仕組み(プラットフォーム)の構築によって、ヒット化合物から医薬品候補化合物取得までの期間を、従来に比べて最短で約70%短縮しました。

 

②販売、ライフサイクル段階

新しい疾患領域における医薬品の発売に際し、販売・マーケティング活動の準備にリアルワールドデータ(電子カルテや保険償還請求のデータなど、患者さんの健康状態や医療行為などに関する医療データの総称)を活用し、患者数や患者セグメントを推定し、さらに戦略立案、必要な人員や資金の予測に活用しています。また、医薬品の適応症拡大や剤形の追加といった、ライフサイクルマネジメントにも活用しています。

 

 

3.医薬品の枠を超えたヘルスケアソリューション である「Rx+®」事業の展開

医薬品は基本的には、病気を患った方の治療に貢献するもので、従来の製薬会社は、その医薬品を作り提供するという製造業の範疇にあります。しかし、アステラスは、治療にとどまらず、ペイシェントジャーニー(診断、予防、治療および予後管理を含む医療シーン全般)全体において、医薬品以外のサービスやソリューションを生み出し、届けるという「製造業」の範疇を超える事業に取り組んでいます。この取り組みを「Rx+®事業」と呼びます。

 

例えば、心疾患患者サポートエコシステムの構築があります。人工知能(AI)を用いたアルゴリズムにより心電図データを解析するホルター解析装置用プログラム、「マイホルターII」を、株式会社エムハートと共同開発し、既にエムハートのクラウド心電図解析サービスに実装され、医療関係者へ提供されています。

業績/財務

※アステラスIR情報を基にinspire株式会社でグラフ作成

社員数(全体)
14,484名 (2023年3月期末時点)
社員数(女性数 比率)
30.9% 2021年度(国内)
女性管理職比率
14.5% 2021年度(国内)