STEP5.応募と選考対策

前回ご説明した通り応募書類が整ったら、いよいよ応募開始となります。あわせて、選考対策をしていく必要があります。
大枠としては、
Ⅰ.詳細な企業研究
Ⅱ.選考方法の情報収集と選考対策
の2つになるかと思います。以下詳細です。
Ⅰ.詳細な企業研究
「詳細な」というのは、応募先の検討の段階である程度は企業研究をしているはずのためです。
その会社のコーポレートサイトは(よほどの大企業でない限り)全て目を通すべきでしょう。また、上場企業の場合、IR情報、なかでも決算時の発表資料はその時の会社の方向性が明確に表れるので、特に注目したいところです。また、IR情報を理解するために、医薬品開発人材でも財務諸表のうち損益計算書と貸借対照表くらいは簡単に読める程度の勉強はしておきたいものです。
次に、第三者的なメディアもぜひチェックしてください。最近だと、在籍する(した)社員の口コミを集めた企業口コミサイトなどもあります(サンプル数が少なく、情報に偏りがあるように感じるので、これらの情報をどう解釈するかは注意が必要です)。
また、人材紹介会社は一般に公表されていない情報を多く持っています。
・採用企業から提供された様々な情報、例えば内々の採用背景(外部に公表したくない新規事業立ち上げ)など
・過去その人材紹介会社経由で入社した方の生の声
・過去の面接でよく出る質問
等々です。
今の時代、相当に情報が集められるので、諦めず様々な情報収集チャネルをあたって見てください。
Ⅱ.選考方法の情報収集と選考対策
まず選考方法ですが、一般的に以下のようなものがあります。
■書類選考
■適性検査
・能力検査
・性格検査
■筆記試験
・知識を問う問題
・思考力、企画力等を問う問題 等々
■面接
・通常面接 *志望動機、経歴・経験等を聞かれる質問
・Case面接 *「日本における年間のワインの消費量は?」といった問題に答えるもの
■複合的選考方法
・事前課題(筆記試験)を与えプレゼン/質疑応答(面接) 等々
他にも、中途採用ではあまりないですが、グループディスカッションや食事をともにしお互いの志向性や相性を確かめ合うなど、様々な方法があります。選考方法は企業によって様々ですが、とにかく、応募予定先の会社/ポジションの選考ステップと選考方法を把握し、選考対策を準備することが大切です。
なお、こういった選考方法の詳細は、中途採用の場合は公表されていない場合も多く、そういった情報を持っている人材紹介会社を使うことのメリットはここにあります。
さて、選考対策の全体像は上記の通りですが、最も注力すべきはやはり面接対策になるかと思います。企業研究も、結局どんな質問が来そうか、どう答えるべきかに結実していくので、実質面接対策と言えるかと思います。
その面接対策ですが、
①どんな会社でもまず出るであろう質問・・・経験、実績、強み/弱みなど
②自身の経歴でまず確実に聞かれる質問
③その会社/ポジション特有の質問
をリストし、回答を作成しましょう。
この時大切なのは、その会社の人事や、そのポジションの部門のマネジャーになったつもりで質問をリストすることです。一人の人間を採用するというのは、給与だけで数百万~数千万がキャッシュアウトするということです。そして、給与以外にも会社負担分の社会保険料、PCやスマホ、場所(オフィスもコストです)などを考えると、相当なコストになります。自身がマネジャーであれば、その人を雇うことで発生するコストを超える(売上ではなく)利益をもたらしてくれるかを考えざるを得ません。そのくらいシビアに考えて質問を組み立ててみてください。
そして、一通り質問と回答ができたら、必ず回答を声に出して読むということです。書き言葉と話ことばは時に全く異なるためです。
ちなみにエージェントにもよりますが、担当のキャリアアドバイザーに模擬面接をお願いするのは良い手です。
このようにして、特に志望度が高い会社/ポジションに関しては、十分に準備して選考に臨んでください。
STEP1.「転職」を意識した時、本当に考えるべきこと
STEP2.本当にやりたいことを見いだす
STEP3.業界や職種に関する情報収集 ~やりたいことに近づく仕事を探す~
STEP4.応募書類の作成(特に職務経歴書の戦略的な書き方)
STEP5.応募と選考対策
STEP6.内定通知書の確認ポイント・条件交渉
STEP7.現職との退職交渉
STEP8.転職先への入社後